ニワトコ 庭常 別名 セッコツボク
ガマズミ科ニワトコ属(旧 スイカズラ科)
本州、四国、九州 山野の林縁 落葉低木~小高木(高さ6mほどになる) 別名のセッコツボクは、ニワトコの枝や幹を煎じて水飴状にしたものを骨折の患部に当てて湿布すると効果があるため 両性花<3>
低地~山地の林縁や明るい林内にやや普通 横幅の広い羽状複葉となる 葉の形や毛の状態に地域変異がある<4>
★あきた森づくりサボートセンターに詳しい説明あり→こちら
1)太い枝が弓なりに曲がる
2)小葉が長く、横幅の広い羽状複葉
5)若い実がたくさん付く
6)赤く色づいたとたんにあっという間になくなった(鳥が食べた?)
13)葉の裏は無毛(変異多いとか)
14)樹皮は縦に裂ける
1) 今日はニワトコを紹介します。かつては山菜(若葉)や薬用(葉、花)や正月用の削り花とかにし、枝を煎じて骨折の湿布にしたから別名をセッコツボクといったり、身近な樹だったようです。しかしこの樹は庭木とか街路樹には使われない(恐らく枝が弓なりに曲がるから)ので、私は全然知りませんでした。この樹は何だ?と気付いたのが4月下旬でした。尾根道の脇に生えていて目に飛び込んだのが、写真のようなたくさんの実。実が生っているということは、花が咲いていた筈ですが、全然気づきませんでした。花を逃してしまうと何の樹か識別が困難になります。そこでこの実が何色になるのか待つことにしました。
8) ニワトコの実が色づきました。1か月以上待ちました。赤ですね。となるとナナカマドかとも思いましたが、ナナカマドの実は秋。いろいろ調べた結果、ニワトコとわかりました。じつは、若い実の時はもっとわさわさと実があったのですが、赤くなったとたんに鳥が食べたのでしょう、あっという間になくなってしまいました。しかし甘くはなくまずいらしいです。ところが、縄文時代にはこの実にヤマグワやキイチゴやヤマブドウなどを混ぜて果実酒を作っていたと言います。縄文人にはかなわないですね。(2021/6/4)
<冬芽>
15) 数ある冬芽のうちでも特に大きいのが、これ。ニワトコです。巨大と言ってもいいかもしれません。これはほっそりしているので、普通の冬芽、つまり葉が展開する葉芽と思われます。ニワトコはさらに、もっと太った冬芽も付いています。
18) ニワトコの太った冬芽。これは混芽と言って、花芽と葉芽が一緒に入っているものです。大きいうえにさらに太っているので、小さい冬芽(これが普通)を見慣れていると、ギョッとしてしまいます。
19) ニワトコの葉痕。これは混芽でしょう。この葉痕は、まさに"顔"のようです。(2022/1/31)
<芽生え>
いよいよ芽生えの季節です。まだまだこの森のほとんどの樹木は芽生えてみませんでしたが、いち早く葉を出していたのが、ニワトコです。しかもよく見ると、花も出ていますね。さすがに大きな冬芽を付けていただけはあります。たっぷり冬芽に栄養を蓄えて一気に芽生えたようです。(2022/3/6)
<開花>
26) この森の落葉樹たちは、ようやく芽生えが始まった樹がある一方、すっかりたわわに葉を茂らせている樹もある。このニワトコも、すっかり葉を茂らせ、花を咲かせていました。例によって、アップしてみましょう。
28) ニワトコの花。小さな両性花がたくさん付いています。雌しべの先端が赤黒いですね。しばらくすると、あっと言う間に実になっていきます。ニワトコを見つけたのが、実が生っていた時なので、1年間の観察が一巡りしました。(2022/4/11)
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