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A ミゾシダ 溝羊歯
ヒメシダ科ヒメシダ属
北海道~九州、琉球(琉球では稀) 山地から人里近くまで、やや湿った林下に普通に見られる夏緑生のシダ。葉柄を含めて全体に毛が多い。各羽片は羽状に深裂し、最下羽片が最大となる「立山型」とそうはならない「熱海型」があるとされるが、種内変異と考えられる。胞子嚢群は葉脈に沿って延び、線形で胞膜はない。<1>
全体が細かい毛に覆われ、葉はくすんだ緑色。光沢はない。暖地では、ときに冬も枯れずにはが残る。羽片の先は鋭く尖る。葉軸だけでなく羽軸も褐色になることがある。シケシダに似るが、全体に毛が多く、ソーラスに胞膜がないことで見分けられる。<2>
大変ありふれたシダで一目でケリをつけないと煩わしいほど。外見の特徴に乏しいシダで「どれも同じに見える」犯人の一人<3>
 
A1)-A9)  尾根道石段手前
A3)羽片の先は鋭く尖る。
A7)胞子嚢群は葉脈に沿って延び、線形で胞膜はない。

A1) 久しぶりに新たに同定したシダです。馬鹿みたいだけど、行き詰っていたのでとっても嬉しい、18種目。あれでもないこれでもないと1週間以上悩みました。でも多分間違いない。これはミゾシダです。何がいけなかったかというと、冬に枯れていないので常緑性のシダと思っていたのです。いろいろ調べたらミゾシダは夏緑性だけど暖地ではときに冬でも枯れない、とあったのでした。この森は日本の中では北に近いけど、樹木の植生もそうだけど沿海なので植物分布的には暖地なのです。しかし、このミゾシダ、ある図鑑にこうありました。「大変ありふれたシダで一目でケリをつけないと煩わしいほど。外見の特徴に乏しいシダで「どれも同じに見える」犯人の一人」。おいおい、そんなに生えていないぞ。もしかしたら、この個体だけ枯れずにいて、夏になるとミゾシダだらけになるのでしょうか。
A7) ミゾシダの葉の裏の胞子。これが決め手となりました。「胞子嚢群は葉脈に沿って延び、線形で胞膜はない」というもの。ちなみにミゾシダは「立山型」と「熱海型」があって、これは「熱海型」。熱海はこの近くだし、ミゾシダで間違いないな。せっかくだからアタミシダと名付ければよかったのに。(2022/3/18)

A1)-A9) 2022/3/12

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