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アズマネザサ 東根笹
イネ科メダケ属
北海道(南部)、本州(中部地方以北)。関東地方では最も普通に見られる。高さ3~4m、直径2cmになる。枝は3~7個ずつ出る。メダケに似るが、①葉先は垂れ下がらない、②葉の先端はやや急に尖る(メダケは尾状に伸び垂れ下がる)。③葉鞘上縁の傾斜は水平(メダケは傾斜)。両者は混生する場合も多い。<3>

1) この森で一番多く見かけるササ。林床ではなく、空いている空間に侵入しているケースが多いようだ。この場所も広い尾根道の空間である。
2)葉先は垂れ下がらない
3)5本分岐している。
4)棹鞘は1/2より少し長い
5)節はややふくれる
7)棹鞘は無毛
10)葉鞘上縁の傾斜は水平。肩毛は白色で直立なめらか
11) 葉裏は無毛

  <ササの識別ポイント> 文献<3>による
  <枝分かれ多>
メダケ属
 〇アズマネザサ 節やや 棹鞘無毛1/2-2/3  葉先垂れない 肩毛白直立なめらか 葉鞘上縁傾斜弱 関東で最も普通
 〇メダケ    節やや 棹鞘無毛2/3    葉先垂れる  肩毛白直立なめらか 葉鞘上縁傾斜有 関東南部人里で最も普通
 〇キボウシノ  節やや 棹鞘無毛2/3    葉先垂れない 肩毛白直立なめらか 葉鞘上縁傾斜強 
 〇ヨコハマダケ     棹鞘長毛(あとはキボウシノと同じ)
 〇リュウキュウチク 節低い  棹鞘粗毛3/3       葉先垂れる      肩毛まれ白直立なめらか 葉鞘上縁傾斜著く強 葉舌 栽培
 〇タイミンチク 節低い 棹鞘無毛ときに長毛2/3 葉先ねじれて反転 肩毛白直立なめらかしばし欠如 葉鞘上縁傾斜著く強 葉舌 栽培
 〇カンザンチク 節低い 棹鞘無毛3/4    葉先垂れない 肩毛白直立なめらか 葉鞘上縁傾斜強 葉舌
カンチク属
 〇カンチク 節やや高 棹鞘節部以外無毛紫色斑点3/4   肩毛白糸状縮れ直立 葉舌なし
 <枝分かれ1>
ササ属
 〇ミヤコザサ() 高さ1m以下、分岐しない 節球状に膨らむ
 〇イブキザサ() 上部でよく分岐 節ふくらむ 棹鞘無毛1/2 肩毛発達ざら放射状
    トクガワザサ
 〇チシマザサ()(日本海側) 上部で密に分岐 節やや 棹鞘無毛2/3 肩毛なし
 〇チマキザサ()(日本海側) まばらに分岐 節やや 棹鞘無毛1/2-2/3 肩毛ざら放射状 葉耳 葉舌 <林床大繁殖>
       シナノザサ 葉裏に毛が密生 まばらに分岐 節やや 棹鞘無毛1/2-2/3  肩毛ざら放射状 葉耳 葉舌 <林床大繁殖>
  クマザサ まばらに分岐 節やや 棹鞘長毛密1/2-2/3  肩毛発達ざら放射状    栽培
アズマザサ属(メダケ属とササ属の交雑)
 〇アズマザサ 上部で密に分岐(2,3あり) 節やや 棹鞘無毛1/2-2/3 肩毛ざら放射状
   〇クリオザサ 下部から上部で分岐(2,3あり) 節やや 棹鞘無毛1/2-2/3 肩毛基部ざら上部なめらか 葉耳
スズタケ属
 〇スズタケ 頂部で分岐 節ふくれない 棹鞘粗毛3/3 肩毛なし
スズザサ属(チマキザサ節とスズタケ属の交雑)
   〇オモエザサ 葉裏に毛が密生         上部で密に分岐(1) 節わずか 棹鞘逆向きの細毛2/3 肩毛ざら放射状
 〇ハコネナンブスズ 葉裏に毛が密生  上部で密に分岐(1) 節わずか 棹鞘長い毛2/3  肩毛ざら放射状しばし欠如
ヤダケ属
 〇ヤダケ 上部で分岐(まれに2,3あり) 節ふくれない 棹鞘上向きの長毛密2/3-3/3  肩毛白色なめらか直立しばし欠如      

1) 何回かつぶやいていたけど、このところこの森のササ(笹)の識別に熱中しています。道端にも雑草のように生えているササ。花も咲かないし(数十年に1回だけ咲く)、美しくもない。私がササのことが気になり始めたのは、森の林床の健全さを判断する一つにササが生えているかどうかがあるということを知ってからです。丹沢のブナ林の衰退は、ササの一種のスズタケが枯れたことも考えられるとも聞きました。山に行くたびに林床のササを気にしていました。しかし、ササの識別は難しいとも聞いていたのでそのまま放置。ようやく識別にチャレンジしようと一念発起したのでした。しかし、予想以上に難しいのでした。図鑑を見てはこの森に行くということを4~5回繰り返したでしょうか。未だ確信が持てていませんが、その試行錯誤を紹介しましょう。まずは、簡単なところから。ここは、尾根道のヤマザクラの下に固まって生えていたササです。
3) この森でササを探してみると、思いのほかたくさんのササが生えていました。最初は、ササの少ない森だなと思い込んでいたのですが、とんでもありません。ササに注目するとあちこちササだらけです。まず、ササと竹の違いを紹介しておきましょう。太くなるのが竹ではなく、棹鞘(薄茶色のもの)が残らないのが竹で、残るのがササです。これはササです。そしてササの種類は膨大にある。まず、枝が多数出るのが、メダケ属。これはメダケ属ですが、その先が難しいのです。
10) ササの区別は多くのポイントを組みあわせる必要があることがわかってきました。メダケ属の場合のポイントの一つがこの写真です。毛が生えていますが、これを肩毛といい、この有無やなめらかさや本数で識別したり、この毛が生えている場所、葉鞘上縁の角度であったり、この種には存在しないが、葉舌とか葉耳とかがあればそれで区別したり、とまずは用語の意味を知るだけで一苦労でした。で、このササは何だったかというと、アズマネザサ(東根笹)。関東ではもっとも普通に見られ人里に多いササ。ごく普通のササというわけで、結果はありきたりです。さて、問題はもうひとつのササ。これが未だにわからないのです。明日再チャレンジです。​​​​​​​(2021/7/23)

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