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テイカカズラ  定家葛  別名 マサキノカズラ
キョウチクトウ科テイカカズラ属
本州、四国、九州 常緑樹林の林内または岩場 常緑つる性木本 茎から気根を出し樹幹や岩をよじ登る 両性花<3>
つる性木本(1-15m)  沿海~低山の林縁や林内に普通 葉形に変異が多く、花をつける樹冠の葉(成形葉)は大きな菱形状で、地際をはう枝の葉(幼形葉
)は小さく縁は細かく波打ち、葉脈に沿って班が入る 葉裏の葉脈の模様が独特<4>

<似た者同士>
  ツルマサキ(ニシキギ科) 常緑 鋸歯 対生(こちらも幼葉は脈が白くなる) 



1)-3)  樹幹を這うが、幼形葉に近い
4) 地を這う
5) 幼形葉 斑入り
6)  幼形葉の裏の模様
7)-13)  幼形葉
14)-16)   別の個体(G10)  大きい成形葉が混じる
17)-18)  成形葉と幼形葉
19)-22)  成形葉   三行脈?
23)-24)   よく成長している G13

冬のこの森は落葉樹の葉が姿を消すので、残った常緑樹を見極めるいいチャンスだ。そこで樹を這い上るつる性の木を探してみた。夏に多いツタ()は落葉樹なので姿を消す。冬に目立つのが、写真のつる性の木だった。常緑のつる性木としては最もふつうに見られる。図鑑によるとテイカカズラというようだ。定家葛と書く。定家?!。植物図鑑には特に定家の説明がなかったので、調べてみたら意外なことを知った。それも2点ある。 
まごうことなくテイカカズラは、あの藤原定家と関係があった。というより大ありだった。謡曲の「定家」。世阿弥を継いで幽玄、夢幻能を発展させた異能の金春禅竹の作。藤原定家と式子内親王の恋愛、それは例えば伊藤正義「謡曲入門」によれば生前の恋愛は邪淫の妄執となり、死後の定家と内親王を苦しめるという能。初冬の式子内親王の墓に絡みついた葛があった。それは内親王が亡くなってしまい、定家の執心が葛となって墓に纏わりついたもの。纏わりつかれて苦しむ式子内親王の霊(後シテ)が現れ、僧が祈りで定家の呪縛を解くが、しかし何と式子内親王の霊は葛が纏わりついた墓に戻っていくのだ。「帰るは葛の葉の、もとのごとく、這いまとはるるや、定家葛、這いまとはるるや、定家葛の、はかなくも、形は埋もれて、失せにけり」。この葛を<定家葛>と呼んだことから、後、この写真の樹の正式な学名となったというわけだ。この能の主人公はこの葛であるともいえ、後シテの霊は定家葛の精でもある、とは伊藤さんの説。この能、鑑賞する機会はなかったが、この謡曲読むかな。(テイカカズラにまつわるもう1点は古事記になるが、また明日)。(2021/2/15)
この季節、この森のつる植物を探すと、そう多いわけではないが、ほとんどがテイカカズラだった。常緑のつる植物は少ないのだろう。テイカカズラは山だけでなくどこらでも見かけるらしい、謡曲「定家」のようにお墓にも多いのだろう。それにしても、そんなに身近な植物なのに"定家葛"とは凄い名前がついたものだ。知らなかったのは私だけなのかな。■テイカカズラはもうひとつ由緒があって、古名をマサキノカズラという。これを調べたら古事記に出てくるのだ。有名な天岩戸だ。天照大神が天岩戸に閉じこもったので、天宇受売命が躍る場面だ。「天の真拆(マサキ)を鬘(カズラ)として」踊る。「マサキノカズラを髪に纏い」という意味だ(次田真幸の全訳注)。つまり、このつる植物は昔はマサキノカズラと呼ばれ、それが謡曲「定家」の影響で、テイカカズラと呼ばれるようになったわけなんですね。それだけ身近な植物なんでしょう。(2021/2/21)
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