タブノキ
クスノキ科タブノキ属
本州、四国、九州、沖縄 沖縄県から青森県まで分布するが、熱海付近以北は海岸沿いに限られる。海岸付近の極相林の構成種の一つ。 常緑高木(高さ20メートルほどになる) 枝張は雄大 両性花<1>
海岸~低山の照葉樹林に普通。沿海地や谷沿いに多く、しばしば林をつくる。葉は枝先に集まって付く。マテバシイと似るが、枝先の芽が大きく目立つ。<4>
「能登の諏訪祭りの鎌打ち神事」では三つの諏訪神社の神木にたくさんの鎌を打ち付けるという神事が行われている。古い諏訪信仰を伝えるものらしいが、その神木はすべてタブノキだ。なぜだろう。→石川県庁のHP
■1)-13) 15)-18) 対象L01のタブノキ
15)-17) 新芽は赤くて目立つ
18) 開花
■14) 照葉樹林帯中核地のタブノキ
■19)-24) 樹冠を観察できたL11のタブノキ
21) 新芽は赤くなり目立つ
22) 混芽の展開
23) 開花した
24) 両性花
先日、タブノキを紹介したいがよい写真がないので明日撮りに行く、とつぶやいたが、結局よいタブノキが見つからず一旦諦めた。今度は別の木が気になり、今日のテレワーク前の早朝散歩を楽しみにしていたのだが、急遽朝の出張が入っておじゃん。この土日は雨なので、森の誘惑に抗しきれず、午後休みを取って森に向かったのだった。午後の森は、ここ数か月で初めてだ。そしたら"いつものベンチ"に先客がいる。めったにないことだ。仕方なく、足を少し延ばして、このところ来てなかった"第二のベンチ"に向かった。ベンチでふと見上げると、手の届くところにある葉に、あれれ?と思った。そこにあるのはずっと探していたタブノキではないか。
この森の巨木が乱立する照葉樹林帯は、先日紹介したスダジイとこのタブノキが高木層を構成している。極相林といわれる究極の森林で、相当の年月が必要だ。直径1メートル高さ20メートルの巨木が多いのだ。しかしこれらは高すぎて葉が見えないので定点観察には向かない。このタブノキは少し小型だがそれでも直径70cmあった。高さも15mぐらいか。このくねくね感はタブノキの特徴とされる。ここは照葉樹林帯からは離れた、恐らく伐採が加えられている山頂の広場なので比較的自由に枝を伸ばしている感じだが、照葉樹林帯のタブノキはもっとくねくねしている。このタブノキでタブノキに親しむことにより、極相林の巨木タブノキに向き合いたいと思うのだ。(2020/9/11)
14)照葉樹林帯のタブノキ。大木の2本が恐らくタブノキ(他に考えられるスダジイだが、特に左はスダジイかもしれない)。幹の直径は80cmくらい。B05+2 B05+3。(9/21)
<開花>
18) スダジイと並ぶこの森の照葉樹林帯のもう一方の雄であるタブノキ。幼木も沢山あります。しかし幼木は花が咲かないので、成長した樹の花を見るしかないが、これが樹冠にしか咲かないのです。望遠でやっとのこと撮ったのがこの写真です。しかし何が花かよくわかりませんね。何とか10mはある樹冠を上から見ることができないか、探し回りました。
22) 偶然、タブノキの花の観察におあつらえ向きの樹を見つけました。この樹はなぜか大きく枝が曲がっていて(19)、かつ段差があって上から見ることができたのです。これがいわゆる混芽の展開で、葉と花が咲こうとしています。タブノキの新芽は赤くなり目立ちますね。
24) タブノキの開花です。やっと花を見ることができました。樹冠にはたくさんの花を咲かせているのですが、上から花を撮影するのに一苦労しました。熱帯雨林の調査は木登りが必須と言いますが、照葉樹林も同じだなと思った次第です。(2021/5/14)
1)-13) 2020/9/11 14)9/21 15) 2021/4/18 16)-21) 4/24 22)4/25 23)24) 4/24