カヤ
イチイ科カヤ属
本州(宮城県以南)、四国、九州 山地 常緑高木 高さ25mになる 裏に白い気孔帯が2本 雌雄別株<3>
丘陵~山地の林内にやや普通 ①葉は硬くて平面に並び、②先は鋭い刺状、③ちぎるとグレープフルーツに似た香りがある点で明快に見分けられる。<4>
1) この森の定点観測の条件として、少なくとも葉を手に取って観察できなければと考えたため、低木や小高木が多くなってしまいました。でもやはり森で気になるのは高木です。なかなか条件に合うのがありませんが、探せばあるもので高さ25メートルになるというカヤがうまい具合に枝を下方に垂らしているのを見つけました。崖に辛うじて張り付いている感じのカヤなので、本来の姿ではないかもしれませんが紹介しましょう。
2) 針葉樹です。針葉樹といえばそこらじゅうの庭にあるマツや、林業のためのスギ、ヒノキと植林されたものばかりで、特に荒れた人工林は見るも悲惨な森なのですが(この森の一部にも植林されたスギがあります)、自生の針葉樹の森は素晴らしいとも聞きます。このカヤはまだ数メートルぐらいですが、この森にもよく育ったカヤが照葉樹にまざってあるらしいので探してみたいと思います。この樹も雌雄別株だし。(2020/9/3)
4) 5)裏に2本の白い気孔帯。葉先は手で触れると痛い。
7)昨日紹介したカヤの木のところに行って、葉を1枚ちぎって嗅ぐ。あれれ、匂わないぞ。今度は、7)の写真のように葉枝を折って嗅いでみた。おぉ、すごいこれは。本当に、グレープフルーツの匂いです。家に持ち帰っても、まだ匂っていました。(10時間後の今はもう匂わない)。この匂いは、カヤ同定の要素の一つみたい(つまり同科のイチイなどにはこの匂いはないということか)なので、この樹がカヤである確実度を100にしました。木の匂いはいろいろあるけど、これは独特の良い匂いです。(9/4)
※後記:葉自体を千切っても匂います
<8)9) 稚樹 東道入口 それぞれ別の個体>
<10)-13) 大木 尾根道 A21 高さ8mくらい>
<つぶやき>
登山の持ち物で何が一番大事か。それは水だ。水場も枯れている時がありいつも多めに持っていく(2Lぐらい)。この森も水道の飲み場はないから700mlの水筒に、夏は水出し番茶、暑いときは粉末イオンウォータを溶かして携える。冬のお気に入りはルイボスだ。今日もお湯を沸かして水筒に入れて、この森に向かった。いい天気だ。早めにいつものエノキの樹の株の自然のベンチに腰掛け水筒を取り出したら、ない。うーん入れ忘れたか。今までスマホを忘れたりカメラのSDカードを入れ忘れたことはあるが、水がないとどうしようもない。いつも休日は4時間ほど森をうろつくのだが、仕方なくそのまま戻ってきた。これで2時間弱。途中で缶コーヒーを買おうとしたがやめた。家ではルイボスが待っているのだ。
8) 今日は、幼樹シリーズ。道の脇にはさまざまな小さな植物ががある。草もあるし小木もあるが大木の幼樹もあって識別は難しい。しかしカヤはある特徴があって一発で判るのです。
9) 別のカヤ。針葉樹で大木の幼樹だろうとはすぐわかる。しかしモミ、メタセコイア、イチイかもしれない。葉を千切って匂いを嗅ぐ。グレープフルーツの匂いだ。これでカヤ確定。。カヤは目立つし分かりやすいからなのだろうけど、カヤの稚樹はあちこちで育っているのをよく見かけます。
10)-13) カヤの大木。こんなに育つんですね。大きくなると高さ30mにもなるらしい。これは10mには届かないかな。このあたりはモミが多いのでモミかと思ったが、グレープフルーツの匂いでカヤと分かったのです。(2021/2/11)
2)6) 2020/8/22 1)3)4)5) 8/23 7)9/4
8)2021/2/10 9) 2021/2/11 10)-13) 2020/12/14